ご自宅の庭などに、人工芝を敷くことを検討中の方もいらっしゃると思います。
人工芝のどこに魅力を感じたのでしょうか?
日々のメンテナンスが楽なところですか?日当たりを気にせずに敷けるからですか?
確かに、これらは天然芝にはない、人工芝こその利点です。
ですが、人工芝にも弱点やデメリットはあります。特に、庭全体やある程度の面積に人工芝を敷こうとする場合には、それなりの費用や工事が必要になります。施工後に「こんな筈ではなかった」などと後悔しないためにも、事前に人工芝が持つデメリットを、しっかりと理解しておくことが重要です。
そこで、本記事では施工前に知っておくべき人工芝のデメリットを解説します。
デメリット1:初期費用が高い!
ホームセンターなどで市販されている人工芝は、種類によって1000~5000円/㎡と価格に幅がありますが、いずれも1㎡あたり500~1000円の自然芝に比べると高額です。
また、コンクリートのベランダなどではなく、土の地面に人工芝を敷く場合には、水はけを良くするための下地材と、雑草を生えにくくする防草シートを使用することが推奨されます。ですので、これらの材料費が加算されます。
デメリット2:下地作りが大変!
人工芝を敷く場所の下地が適切に処理されていないと、施工後の人工芝に様々な不具合が生じてしまいます。状況により差はあるにしろ、この下地作りは意外と手間がかかります。
人工芝を敷く前の基本的な下地作りは、
1. 雑草や落ち葉、石などを完全に撤去する
2.地面を平らになるまで整地する
3.下地材を撒いて、更に整地する
4.下地に圧力をかけて固める(転圧)
5.防草シートを敷く
といった手順を踏みます。
デメリット3:見た目が人工的?
最近では、天然芝と見間違えてしまうほどの「リアル人工芝」が市販されています。そんなリアル人工芝でも、庭に敷いてみると、どうしても人工的な印象を受けることがあります。
例えば、年間を通して枯れることなく、きれいな緑色が楽しめるのは人工芝のメリットのひとつです。ところが、秋から冬にかけてなどに、他の木や草花が黄色く色づいたり落葉したりしているのに、人工芝は緑のままでいます。そんな人工芝を見て、違和感があり人工的な印象になる、四季を感じられず物足りないと感じてしまうなどの場合です。
デメリット4:夏場に熱くなる!
夏場など気温が高く強い直射日光に晒されると、人工芝は熱を持ってしまいます。猛暑日には表面温度が50℃を超えることもありますので、小さいお子さんのいるご家庭では、足の裏をやけどしたり、熱中症にかかったりしないため注意が必要になります。
人工芝は熱しやすいですが、冷えやすい特性もありますので、パラソルを立てて日陰を作る、水を撒いて人工芝の熱を下げるなど、夏の庭で快適に過ごしてください。
デメリット5:火気厳禁!注意が必要
芝生の敷き詰められた庭で、家族や友人たちと、バーベキューを楽しむ場面を思い浮かべる方も少なくないでしょう。ところが、市販されている人工芝の中には、それほど熱に強くない製品があります。
そのような人工芝では、バーベキューで焼いていたお肉などから油がはねたり、熱い炭を落としたりすると、溶けて黒く固まってしまうこともあり得ます。バーベキュー・コンロの下にシートを敷くなどの対策が必要不可欠です。
また、人工芝の種類によっては、防炎認定を取得している安全性の高いものがありますので、ご購入の際に確認してみてください。
デメリット6:素材により経年劣化が早い!
メンテナンスが行き届いた天然芝であれば、長期間きれいな状態を保てます。
一方、市販されている人工芝は、太陽からの紫外線や風雨に晒されるうちに、どうしても劣化してしまいます。また、使用するにつれて人工芝の毛が寝てしまうこともありますし、人の出入りが多い場所などでは磨耗が早く進むこともあります。
一般的な人工芝は7?8年、長くても10年で交換が必要とされています。特に、素材にナイロンが使われている人工芝は、劣化が早いようです。人工芝を選ぶ際には、使用されている素材にも配慮しましょう。
もちろん、人工芝にはメリットもたくさん
さて、ここまでは人工芝のデメリットについて詳しく紹介してきましたが、人工芝には利点、すなわちメリットもありますので見て行きましょう。
お手入れが簡単
草刈りや水やりなどの手間がかからないのは、人工芝の最大のメリットと言っても過言でないかも知れません。たまに、落ち葉やゴミを拾う程度の掃除で充分です。汚れを見つけたらさっと拭くか、水で洗い落とすだけで済みます。
維持費がほぼ不要
簡単なお手入れだけで済むのですから、維持費もほとんどかかりません。天然芝の場合、除草剤や肥料、芝刈り機などに維持費かかりますが、人工芝はこれらが不要です。
雑草が生えにくい
人工芝を施工する際に、雑草をしっかり抜いて防草シートを敷いておけば、雑草はほとんど生えなくなります。
虫が出にくい
雑草は虫のエサになりますから、雑草が減ると虫のエサが減り、虫そのものが減ります。また、下地材がきちんと撒いてあれば、虫が住みづらい環境ができています。
敷ける場所が多い
天然芝は日当たりの少ない場所では、育ちが悪くなることがありますが、人工芝はそのような場所にも問題なく敷けます。ほかにも、コンクリート製のベランダやバルコニーなど土がない場所にも敷くことができます。
まとめ
人工芝の主なデメリットを、費用・施工法・景観・使い勝手・耐久性といった面から解説しました。
人工芝のデメリットは、
・初期費用が高い
・下地作りが手間
・見た目が人工的
・熱を持ちやすい
・火気に注意が必要
・経年劣化する
これらのデメリットを把握しつつ、あまり否定的に考えるのではなく、人工芝のメリットと比較して、人工芝を施工するかどうかを検討してください。
芝生のある庭は素敵ですね。
人工芝は、DIYでも施工できます。ただし、庭の土壌の状態や人工芝を施工する面積などによっては、多少の施工費がかかっても、長い目で見ると専門業者に頼んだ方が良い場合もあります。DIYでの施工に少しでも不安を感じたら、一度、信頼できる業者に相談することをお勧めします。