庭を人工芝にすると、いろいろなメリットがあります。人工芝は天然芝より耐久性が高く、メンテナンスが必要ありません。一年中きれいな芝生がキープできる点も魅力的。
障害物がなくサイズが大きくなければ、人工芝を庭に敷くことは難しくありません。雑草を除去し、下地を整えて転圧したところに人工芝を敷くだけです。材料と道具さえ揃えばDIYで行えます。
今回の記事では人工芝の下地に最適な砂の種類や、人工芝の下地の作り方について解説します。最適な下地を選択し、人工芝にチャレンジしてみましょう。
人工芝の下地の重要性
人工芝の下地はとても重要です。
人工芝の下地がいい加減だと、「湿気がたまりやすい」「カビが生える」「雑菌が繁殖する」「でこぼこになる」「不衛生」といった問題が発生することも。しっかりと施工することで、衛生的で快適な人工芝になります。また、下地を整えることで防草効果も期待できます。
人工芝の下地の重要性を理解し、丁寧に施工しましょう。
人工芝の下地に使われる砂の種類
さまざまな砂の種類がある中で、人工芝の下地にはどれを選べばよいのでしょうか。それぞれの砂の特徴を解説し、人工芝におすすめの砂を紹介します。

砕石
砕石とは、大きな石をクラッシャーで砕いて人工的に作ったものです。砂利のように自然にできたものではありません。
砕石は、砕いたときにできたゴツゴツとした角があり、サイズも不均一です。角があることで圧をかけたときにほかの砕石としっかりと噛み合い、地盤が締まります。
砕石にはさまざまな規格がありますが、DIYでよく利用されるのは「0-40」です。「0-40」は、細かい砂のようなものから40mmのサイズまでが含まれている規格。
人工芝の下地に砕石を使うと、透水性が高くなりでこぼこしません。
砂利
砂利とは、長い年月をかけて自然に丸くなった小石の集まりです。大きな石や岩が砕かれ、川の流れによって角が削れることで砂利になります。
砂利のサイズは2~5cm程度。砂利の主な用途はガーデニングです。また、コンクリートやアスファルトを施工するときに混ぜて使われることも。
砂利の上に直接人工芝を敷くのはおすすめできません。砂利を下地にすると人工芝がでこぼこしたり、砂利が表面に出てきたりするからです。
すでに砂利が敷かれている場合は、上から砂を撒き目潰しをして人工芝の下地を作りましょう。水はけのよい下地として利用することができます。
川砂
川砂とは、川の底や河川敷に積もっている砂のことです。花崗岩が水にさらされ、粘土質が落ちて細かくなったもので角がありません。大きさは0.25~2mmほどで細かく、見た目は灰白色です。
川砂は園芸や芝生の目土、砂場、水槽などにも使われます。
水はけがよく、一般的な人工芝の下地として適しています。
真砂
真砂(まさご)は真砂土(まさつち)とも呼ばれ、花崗岩が風化して土状になったもののことです。砂状になったものを真砂、土状になったものを真砂土と分類することもあります。価格が手頃なので、園芸用や宅地造成、建設工事の基土として使われます。
高密度で固まるため水はけが悪く、人工芝の下地には不向きです。
山砂
山砂とは、火山から吹き出された岩石などが細かくなった山にある砂のこと。粘度に近い砂粒から大きな砂粒までが混在した状態で販売されています。群馬県桐生地方の桐生砂や、富士山の裾野で採取される富士砂がよく売られています。
山砂は川砂と異なり、水持ちと肥料持ちがよいことが特徴。庭の施工やガーデニング、園芸用によく利用されます。
山砂は排水性と保水性に優れており、柔らかい土の上には人工芝の下地として適しています。
コンクリート
庭に人工芝の下地を作るなら、コンクリートは選択しづらいでしょう。しかし、コンクリートは人工芝の下地としておすすめ。
コンクリートとは骨材を結合材であるセメントやアスファルトなどによって固めたもののこと。強度や施工のしやすさ、価格面から多くの建築物に利用されています。
ベランダなどのもともとコンクリートの場所に人工芝を敷くなら、下地作りは必要ありません。なお、コンクリートに人工芝を敷くなら、人工芝用の両面テープで固定しましょう。
通常DIYでお庭に人工芝の下地を作るなら川砂。柔らかい土の上には山砂がおすすめです。
人工芝の下地の作り方
人工芝の下地の作り方について、大まかな流れと作業を解説します。

雑草の除去
まず、雑草や石を取り除くことが必要です。石やゴミは、でこぼこになる原因になります。そのほかに、球根もしっかりと取り除きましょう。球根が残っていると、施行後に生えてきて人工芝を押し上げる可能性があります。
雑草は鋤やスコップを使って取り除きましょう。天然芝は土との絡みが強く手強い相手。スコップで切り込んで、土を浮かせるように取り除いてください。
転圧ローラーで転圧
雑草を除去したら、転圧ローラーや転圧機を使って地面を固めていきましょう。転圧ローラーや転圧機はレンタルも可能です。面積が大きくなければ足で踏み固めても構いません。土台となる地面をしっかりと転圧することで、でこぼこになることを防止できます。
下地材を整えて転圧
下地材を整えたらもう一度、転圧しましょう。下地材には川砂がおすすめです。下地材を選ぶポイントは、水はけがよいこと、流れ出ないことの2点です
下地材の厚さは3cmほどが理想的。雨水桝(うすいます)がある場合、雨水桝までの高さギリギリまで下地材を入れてください。そうしないと、水たまりができやすくなったり、雨水桝が目立ったりします。
防草シートを敷く
転圧ができたら防草シートを敷いていきましょう。防草シートは市販の安いものでOKです。
防草シートは仮敷きをし、はみ出さないようにしましょう。防草シート同士の間は10cm以上重ねてガムテープで貼り合わせて、雑草が飛び出さないようにしてください。
人工芝を敷く
最後に人工芝を敷いていきます。人工芝をカットするときは、10cmほど余裕を持っておきましょう。実際に敷いてみると足りなかったということはよくあります。
まとめ
人工芝は天然芝より耐久性が高く、メンテナンスが必要ないというメリットがあります。くわえて、道具と材料さえあればDIYで簡単に敷くことが可能です。
ただし、人工芝には整えた下地が必要。しっかりと下地を整えることで水はけをよくし、人工芝を清潔に保てます。
下地となる砂の種類にはさまざまなものがあります。山砂や真砂、砕石、コンクリート、川砂などいろいろです。その中で、人工芝の下地に向いている砂は川砂、山砂、砕石の3種類。
最適な下地の種類を検討し、DIYで人工芝の庭にチャレンジしてみましょう。